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基本アプローチ

アメリカ市場で「モノを売る」ことは、日本の消費者を相手に「モノを売る」こととは自ずと違ってきます。アメリカ市場で日本産商品を販売していくためには、アメリカを知ること、アメリカのマーケットを調査・分析することがその第1歩となります。

日米の違い
日本とアメリカの違いを概観してみましょう。

 

日本

アメリカ

国土面積

377,923.14平方キロメートル

9,161,923.5平方キロメートル

人口

127,330,000人
(2012年4月 IMF統計)

314,700,000人
(2012年4月 IMF統計)

GDP

4,383.76(10億ドル)

13,843.83(10億ドル)

民族

単一民族国家

多民族国家

歴史

2000年以上

236年

社会

単一言語・均質的社会

多言語・多様性社会

資源

資源小国

資源大国

価値観

集団を優先

個人を優先

移動手段

公共交通機関

自動車(一部大都市を除いて)

企業の数

約431万社

約593万社

アメリカの国土面積は日本の24倍、人口は2.4倍です。ちなみに、全米の中でも第1位の人口を誇るカリフォルニア州は3,725万人、面積は日本がすっぽりと収まる大きさです。消費意欲が旺盛なこのアメリカ市場に興味を持ち、新規参入を試みる日本企業は後を絶ちません。「チャンスの国 アメリカ」と呼ばれる所以でもあります。しかし、どの企業も成功を勝ち取れるわけではありません。様々な要因が指摘できます。米国市場の理解不足によるマーケットと商品のミスマッチ、ローカルフィットにおける調査・努力不足、人材不足、資金不足などが考えられます。

新規参入に伴う失敗事例
これらは基本中の基本といってもいいかもしれません。日本からお金をかけて準備して持っていった販促ツールなどがアメリカで無駄になってしまうケースをよく見かけます。
いくつか失敗事例を見てみましょう。

1. ビジネスカード
米国仕様の英語版名刺を用意すること。名刺のサイズは一般的に日本とアメリカでは異なります。日本の名刺はアメリカの名刺ホルダーにキチッと収まりません。収納するためには1枚ずつカットするか、あるいは、ファイルされない場合はそのまま忘れ去られてしまいます。名刺は必ずアメリカサイズ(縦51mm x 横88mm)で作成してください。また、展示会で使うときは、ブース用の名刺を用意するのも合理的です。ブース番号などを手書きでもいいので予め記入しておくと、バイヤーが後でブースに戻ってくるときに便利です。

2. 配布物
日本はA4サイズ、アメリカはレターサイズです。A4サイズはレターサイズより天地が長いため、名刺のときと同様、アメリカのファイルにキチット収納できません。A4で資料をもらった場合、折り曲げてファイルするか、ファイルされずにそのまま忘れ去られてしまうかのどちらかと言えます。事前に日本でハンドアウト用資料などを印刷準備するときは、レターサイズ(8.5×11インチ/約216×約 279mm)で作成してください。

3. 言語表記
日本人はカタログやパンフレットに日本語と英語が併記されていても余り抵抗がありません。日頃から英語を見慣れていて、ある程度わかるからで、余り違和感を覚えないといえます。一方、アメリカ人にとっては日本語なのか中国語なのか、単なる記号の羅列なのか、逆に肝心な情報を読み取ってもらえないケースが多いようです。アメリカでの配布物には、日本語とのミックスは避けていただくといいでしょう。
コピーや本文の翻訳は、英語ネイティブがダイレクトに行う翻訳方式(その後、日本人がクロスチェックを行う)が望ましいです。日本人が訳してその後にネイティブチェックを入れるより、より精度の高い自然な英語となります。「餅屋は餅屋」で、社内で対応できない場合は、専門の会社に依頼されることをお奨めします。英語が不自然だと商品もそのように判断されかねません。

4. 英語サイト
ウエブサイトの必要性は失敗事例というより、事前に英語でのウエブサイトを用意しておかないと進出努力の効率が悪く結果が伴いづらい点が指摘できます。展示会の来場者は事前に出展者情報をウエブサイトから収集するケースが圧倒的です。自社ブースに立ち寄ってもらえるかどうか、英語のウエブサイトを充実させることは重要です。そして、情報を更新し、常に情報発信していくことが大事です。

5. 事前調査・視察 → 展示会出展
とりわけ、中小企業の経営者の方に多いのですが、いきなり展示会への出展を希望される場合があります。「自社商品の手応えを探ってみたい、アメリカでどう評価されるか肌で感じてみたい」と言われます。アメリカの展示会は、文字通りTrade Showで具体的な注文を獲得する場です。その前段階として、アメリカでのビジネスの準備と基盤整備が必要となります。いきなり出展ではなくて、先ずは事前調査・視察をお奨めいたします。
現地をつぶさに視察され、競合他社の商品群を見ていただくことで、おおよその自社商品の市場性なり可能性を把握いただけるものと考えます。視察によって、次なるステップが見えてきて、展示会への出展も具体的となってきます。アメリカとそのマーケットを鳥の目(俯瞰し)、虫の目(真近に手に取って)、魚の目(複眼的に)をもって見ることです。

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Q&A

Q1. 自社にアメリカ進出の資格があるか、その基準を教えてください。
A1. 商品力、コンセプト、ビジネスセンスの三つは基本です。資金力や人材も言うまでもありません。日本ですでに実績がある場合、アメリカで受け入れられる可能性も大と言えます。日本で苦戦しているので、アメリカにというスタンスではアメリカでも苦戦を強いられることになるでしょう。

Q2. 進出に際して、何からスタートすればいいでしょうか。
A2. 事業概要、商品・サービス、何をどうされたいかを具体的に教えてください。弊社担当者より今後の手順についてご返事申し上げます。最初のコンサル・フィーは一切かかりません。お気軽にご相談下さい。

Q3. 進出の準備期間はどの程度を考えればいいでしょうか?
A3. 事業内容や業態、取り扱う商品・サービスによって異なり、一概には言えません。むしろ、進出前の市場調査が大事です。調査を経て正確に市場を把握することが、結局は経費と時間の最大の節約となります。進出の準備は調査に合わせて段階を追って進めていきます。

Q4. 日本とアメリカの市場の違いを知る上での参考となる数字や事例はありますか?
A4. 大雑把ですが、日本に比べアメリカの市場は倍あるのではないでしょうか。業界により市場規模は異なります。弊社の第一次調査の中でそういった数字も算出いたします。アメリカで販売することイコール、商品が英語化されることを意味します。商品が英語化されることで全世界に市場が開かれることになります。世界各国からアメリカに新たな市場を求めて人々は集まってきます。つまり、アメリカ進出により、全世界への道が広がるわけです。

Q5. 日本企業が撤退を強いられる原因は何でしょうか?
A5. 間違ったマーケティングやマーチャンダイジングを行い、その結果、資金ショートに陥り撤退するケースが先ずあげられます。事前の市場調査をシッカリやっていればそうならなかったかもしれません。次に、現地採用したアメリカ人を使いきれず、必要な人材確保ができず撤退するケースも多いです。繰り返しますが、当を得た事前調査は進出の基本です。実際、アメリカ人をしっかり理解できれば、アメリカ人を使うことも一緒に仕事をすることもさほど難しいものではありません。同じ人間ですから。

Q6. ズバリ、アメリカ進出のメリットは何でしょうか?
A6. 当然ながら、国内では販路拡大に限界がありますが、アメリカ進出することで販路拡大につながります。企業として拡大発展のチャンスが増えます。アメリカに社員が赴任することでグローバルなビジネスセンスとビジョンをもつ社員育成となります。今後の国際競争激化においても、海外進出によるグローバル人材が育つことは企業の体質強化にもつながります。

Q7. マーケティング会社、コンサルティング会社を選ぶポイントは何でしょうか。
A7. 1) 実績と実践経験が豊富であること。2) 理論構築ができ知恵があること。カンと経験だけでは不十分です。理論に裏打ちされた実戦、実戦で検証された理論が大事です。3) 日本企業の特性を理解してくれる企業であること。進出はチームワークですので人柄や相性も大事になってきます。アメリカ風にしなくてはならない場合もありますが、日本企業の良さまで変える必要はありません。相互に理解し信頼関係の構築が大事です。

Q8. 調査にかかる費用について教えてください?
A8. 調査範囲、調査手法、調査期間、調査対象となる商品やサービスによって異なります。具体的な内容をご提示ください。ご提案させていただきます。

Q9. どのようなタイミングで進出の判断・決断をすればいいのでしょうか。
A9. 通常は次の三つの段階を経ながら調査を進めていきます。
第1次調査:
対象商品なりサービスのアメリカ市場参入可能性の有無に関してご判断をいただける内容を報告させていただきます。調査項目としては、アメリカの市場概要、市場動向、流通システム、競合品・競合他社の動き、規制・ライセンス・関税関連、関係先一覧、業界誌・専門誌の収集、展示会情報の調査など。
第2次調査:
調査報告を聞かれ、調査内容をお読みになって、御社が「可能性あり」と判断された場合は、第2次調査に移ります。対象商品やサービスについて、業界関係者からのヒアリング調査やモニターを主に実施します。
第3次調査:
更に第2次調査で御社が「可能性あり」と判断された場合、最終の第3次調査を実施します。先ず、どのような形での進出が望ましいかを様々な観点から調査します。次に、進出に伴う経費、売上予想、タイムスケジュールを含む進出計画を立案します。双方で議論を重ね協議しながら、最適な進出方法を決めさせていただきます。

Q10. 現地法人を設立して、日本から人材は派遣しないでアメリカでの事業を展開することは可能でしょうか?
A10. 答えは可能です。実際の成功事例もあります。アメリカに派遣する人材が確保できない、適任者がいない場合ということになるのでしょうが、日本から人材を派遣されないことでかなりの経費削減にもなります。その場合は、アメリカ側の協力者・パートナーとの密なコミュニケーションが不可欠となります。現地での日本語ができる優秀な人材の確保も可能ではあります。

Q11. 日本から英語が未熟な社員を送り出す場合の注意点はなんでしょうか?
A11. 当の本人が現地で努力を惜しまないことが一番です。英語は日々の実務の中で身につけていくことです。苦労をした分、本人にそして会社に戻ってくることは間違いありません。生活面でのインフラ整備も弊社がサポートさせていただきます。好奇心旺盛でチャレンジャーな性格をもち、アメリカで骨を埋めるぐらいの覚悟がもてれば最高です。

Q12. 弁護士費用などアメリカ的なものやコスト面で気をつけるべきものは何でしょうか?
A12. 保険関係は一般的に日本よりコストがかかります。従業員の医療保険に始まり、商品のPL保険や損保保険などがあります。弁護士費用は、必要とする場合とそうでない場合がありますので、一概には言えません。

Q13. セクハラ訴訟などを想定して、経営者がその学習のために費やさなくてはならない時間や経費について教えてください。
A13. アメリカのルールを守り、常識があれば問題はないです。これまでも問題があった場合、ほとんどが常識を逸脱した行為・行動によるものです。皆様がアメリカに進出される際には私たちも必ず事前に説明をさせていただいております。日本語でのセミナー受講もできます。

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